トロピカル~ジュ!プリキュア第1話のBパートでございます。
ちなみにAパートはこちらからどうぞ → Aパート
「まさか本当に人魚に会えるなんて!」
人魚に出会って絶賛興奮中の主人公・夏海(なつうみ)まなつ。
「すごいよ!ねえ、これって」
「衝撃の出会いだよね!!」
ぷしゅー!
「…」
「しょ、しょうげきの出会い!」
「衝撃だよね!!!」
プシュー!
「何言ってるの?にんげん」
すばらしく冷めた様子な人魚のローラ。
「人間? …私は夏海まなつ!」
名前を聞かれたのでローラはフルネームを答える。
「私の名は、ローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメール」
とても長かった。
「ローラ・アポロ~、ぴろぴろ~…」
「長くてキレイな名前だね!」
「だってわたし、人魚だから」
「それにしても可愛い~!髪なんかツヤツヤ~!」
「ま、まあ可愛いのは当然よね。だってわたし人魚だし」
「ハッ!」
いい気になっている場合ではなかった。
ローラは使命を思い出していた!
任務を果たして女王に認められ、次の女王になる!
という崇高な目的があったのだ。
そう。人間の子なんて、私が女王になるための、
捨て駒~!!!!!
と、野心全開で妄想してたら、勢いでまなつを尾で絞めていた。
「あら、失礼」
突然どうしたのかと疑問に思うまなつは、
そうかホームシックになったんだ!と解釈した。
だよね~。知らない街でひとりって心細いよね~。
と、こちらも想像のみではなしを進めた。
はあ?そんなわけないじゃ…
わかるよー!実は私もちょっとだけ不安になったんだ!
と、まなつはローラの尾をつかみつつ、ひとり盛り上がって話を進める。
「でも、大丈夫!素敵な魔法があるんだよ!」
魔法?!
人間は魔法を使えるの?!と、驚くローラ。
そう!メイクって魔法。
勇気が出ない時のおまじないとしてリップをつけたりして、
がんばるための魔法という意味だった。
そしてお母さんからもらったリップを探すが…、
あり?あっ!そっか~!
船の上から、そのリップを海に落としたことを思い出した。
だがそのリップは偶然にもローラが拾っていたのだ。
「もしかして、これ?」
「これー!!!」
「もしかして、ローラが拾ってくれたのー??」
「ありがとう~!!!」
てなわけで、ローラにリップをぬってみた。
どう?勇気がわいてこない?
トロピカるぞって感じで。
トロピカるぞとは一体何か?とたずねるローラ。
常夏の太陽みたいに、キラキラまぶしい幸せな気持ちが、
胸の奥からブワーって湧き上がってくるような感じ!
心の中にきらめく太陽を持った人間。
女王の言葉を思い出したローラは、もしやと思い聞いてみる。
「ねえ。ひょっとして」
「あなたが伝説のプリキュアなの?」
「へ? プリ…キュア??」
マーメイドアクアポットから女王から託されたコンパクトを取り出すと、
開けられるかどうか渡してみた。
「トロピカルな感じだからトロピカルパクトだね!」
では、さっそく。
「ふん!」
「むぐぐぐぐぐ!」
「ぎいいいいいいいいいいいい!」
「くぁあああああああああ~!!!」
「あかない…」
力任せにやってみたけどダメでした。><
やっぱりちがうわね。
がっかりなローラ。
なら、用は無いわ。
あっさり去ろうとするローラ。
もっと話したいまなつは引き留めようとするが、
「じゃあね、人間」
「あ、私と会ったことは誰にも内緒よ」
「わかった!ふたりだけの約束だね!!」
「また会おうね~!」
去りゆくローラに手を振るまなつ。
新居へとやって来たまなつ。
今日からここが我が家だ。
部屋には先に荷物が届いていた。
さて、まなつと別れたローラだったが、
行く当てがないことに気が付いていた。
ぷかぷか浮かぶローラ。
さっきつけてもらったリップは水にぬれて落ちていた。
それにしても変な子だったな…、と感傷にふけるローラ。
そばにジョギング中の勇ましい体育会系な男たちが通る。
強そう!
もしや彼らがプリキュアか?!
期待するローラ。
やる気全開の男たちの掛け声に反応する謎の声が、
海から聞こえて来た。
「そのやる気パワー、いただくぜ」
海から何者かが爆音と共に派手に登場!
その大きな音は部屋の中にいたまなつにも聞こえた。
現れた異形の怪人。
まさか、あとまわしの魔女の部下?!
その通りで、あとまわしの魔女の配下で「チョンギーレ」という名のカニ怪人だった。
しかし、チョンギーレは自分でやるのは面倒なので、
仕事は怪物にやらせようと、ヤシの木に目を付けた。
チョンギーレは怪物の元となる核を投げつけ、
ヤシの木を媒介にした怪物「ヤラネーダ」が誕生した。
怪物出現に避難を開始する男たち。
だがヤラネーダはヤシの実爆弾を発射して攻撃!
その爆発光景をまなつはベランダから目撃していた。
ローラが巻き込まれたんじゃないかと心配になるまなつ。
ヤラネーダはやる気パワーを吸い取り、体内に蓄積していく。
やる気パワーを吸い取られた人間は、やる気をなくし、
無気力になってしまった。
全員がやられたことからあの中にもプリキュアはいなかった。
そこへ、ローラの名前を叫びながらまなつが駆けつけて来た!
「ローラ!どこー!!」
「さっきの人間!」
思わず身を乗り出すローラ。
その時、パクトが淡く光り始めた。
身を乗り出したことでチョンギーレに気づかれてしまうローラ。
「うわ!見つかった!!」
「なんだ?人魚が人間の世界で何してんだ?」
海へ逃げようとしたが砂浜だった。
あっさり捕まったローラ。
やる気パワーは十分奪ったが、人魚のもいただこうと狙う。
覚悟するローラ。
「やーめてー!!!」
そこへまなつが突進してきた!
突進して倒れた。
気づく面々。
「何やってんのよ!人間は逃げなさい!!」
「そうとも!俺はもう引き上げるところなんだよ。あっちへ行け」
まなつは引き下がらない。
「ローラを離して!嫌がってるでしょ!」
「かったりぃな。俺はただやる気パワーをあつめて…」
「離して離してー!」
ぺちぺちぺち
「俺はただやる気パワーを…」
「離せ離せ離せー!!」
バシバシバシ!
「やる気を~…」
「はなせ!はなせ!」
ドスドスドス!
「うるせー!!!」
一向に聞かないまなつに、しびれを切らすチョンギーレ。
ヤラネーダの一撃で吹っ飛ばされるまなつ。
「しつこい奴だな。自分と人魚のどっちが大事なんだよ。自分だろ」
その言葉を聞いて、一気に起き上がるまなつ。
「何が大事かは自分で決める」
「今いちばん大事なことは…」
「大事なことはぁああ~!!!」
その強い心にまなつの手の中で何かが光り始めた。
まなつの光に呼応するかのように、ローラが手にするパクトも輝きだした。
ふたつの光が激しく輝く!
光はハートクルリングとなって、まなつの指に誕生した。
トロピカルコンパクトは吸い寄せられるかのように、
まなつの元へ移動した。
この光景を見てローラは確信した!
そのリングこそがパクトを開ける鍵なのだと。
「鍵?」
伝説の戦士プリキュアになるための鍵。
「ローラ!今、助ける!」
ついにプリキュアへと変身するまなつ。
「あれが!伝説の戦士…プリキュア!」
キュアサマーの誕生である。
ひるまぬチョンギーレは攻撃を指示。
サマーはことごとく攻撃をかわす!
そして、壁を高速で駆け抜けていく!
尚も連続攻撃を仕掛けてくるヤラネーダ!
ジャンプ一番、これをよけ、
一気に体当たりを見舞う!
思わずよろけるヤラネーダ。
反動で吹っ飛ぶも、すぐにブレーキをかけ、
再び猛スピードで向かってくるサマー!
待ち構えるヤラネーダは強烈なパンチを繰り出す!
それをガッチリと受け止めるサマー!
その衝撃で突風が巻き起こる!
受け止めたパンチに力をこめるサマー。
力の限り、思いっきり、
ジャイアントスイング!
投げ飛ばした!
捕まっていたローラはその勢いで拘束から逃れるものの、空中に放り出された。
しかし、池に着水。
よかったのう。
ヤラネーダの方は地面に激突。
キュアサマーのパワーに驚愕するチョンギーレ。
マーメイドアクアポットが光ってるのに気づくローラ。
押してみる。
すると、画面にヤラネーダの姿が映し出された。
ある個所が光り出す。
それは奪われたやる気パワーの所在だった。
見続けてると、さらなる光が炸裂。
ヤラネーダの体内からやる気パワーが出て、アクアポットに回収された。
どうやら、プリキュアの攻撃で奪われたやる気パワーが戻ってくるようだ。
チョンギーレの激でヤラネーダを起こす。
こうなったらキュアサマーのやる気を奪おうとするが、
一向に奪うことができない!
「私のやる気は、無敵なの!」
そして、ヤラネーダの攻撃をはねのけるのだった!
収納してあったリップが出て来た。
リップはハートルージュロッドへと変化した!
それもまたプリキュアのアイテムであることを確信する。
このロッドでいける!
とどめの決め技「プリキュア・おてんとサマー・ストライク」を放つサマー!
攻撃は太陽みたいな形になってヤラネーダを直撃!
「ビクトリー!」
ヤラネーダは浄化され、素材にされたヤシの木は元に戻った。
そして奪われたやる気パワーはポットから飛び出て、
元の持ち主たちに戻り、全員回復するのだった。
「ち!かったるい。帰るか」
チョンギーレは撤退していった。
戦い終えて、夕方。
「ふうむ」
「あれがプリキュアかあ」
「なかなか…」
「へ?」
「なかなかカッコよかったよ」
「まなつ!」
はじめて名前で呼んでくれたローラ。
思わずにっこり。
「というわけで!これから私の元で戦ってもらうからね!よろしくね!」
「よろしく~!」
…ん?
たたかう?
「待って!どういうこと?!」
「ああ~良かった~、これで女王に一歩近づいたわ~!ひとあんしんー!」
「ねぇなになに?どういうこと?」
かくして、ここに新たなプリキュアが誕生したのである!!
がんばれキュアサマー!!
一方。
ここは悪の居城。
あとまわしの魔女の城である。
「あとまわしの魔女様。邪魔者が現れたようです」
執事のバトラーが報告する。
「次なる作戦を立てねばなりません。いかがいたしましょう」
あとまわしの魔女はかなり巨大で禍々しい仮面をつけていた。
プリキュアの出現に怒りをあらわにする魔女!
…しかし、
「あしたにするわ…」
「承知いたしました」
あとまわしの魔女だけに後回しにしてしまった。
次回へつづく!
本編が終わり、エンディングへと流れます。
毎度恒例の美麗CGによるダンスエンディングです。
というわけで、第1話でした。
夏真っ盛りで元気いっぱいな、やる気全開主人公。
人魚のローラも野心全開な、なかなか正直すぎる性格な子。
今後出会うであろう他のプリキュアなどもそれぞれ魅力満載です。
長くなりましたが以上です。
最後までご視聴お疲れさまでした。
ではでは~。
コメント