
ウルトラマンレオの最終回であります。
話タイトルの「出発」の部分は「旅立ち(たびだち)」と読ませています。
宇宙と書いて「そら」と読むみたいなものということで。
ちなみに前回はこちらからどうぞ。→ 第50話

侵攻12番目で最強最後の円盤生物「ブラックエンド」が地球へ飛来。

美山家は咲子の夫の命日なので、墓参りへと出かけた。
おおとりゲンとウメダトオルは留守番。

トオルはひとり、今は亡き百子とカオルに想いを馳せる。

その時、大地震が発生していた、
実は地中深く潜り込んでいたブラックエンドの仕業である。

ラジオの地震速報が流れるものの、それを遮ったトオルがゲンに海へ連れて行ってほしいとねだる。
生前、姉代わりだった百子がよく伊豆の海へカオルと一緒に連れて行ってくれていた。
それは百子の故郷の黒潮島のそばに行けるからだった。
トオルは写真立てのふたりのためにも墓参り的なことがしたかったのだ。

快諾したゲンは、早速車を走らせトオルと共に向かう。

だが、そんな余韻は与えぬとばかりに円盤生物ブラックエンドが出現した。
ブラック指令は露骨にレオをおびき出すため、派手に暴れさせていた。

ブラックエンドはレオの名前を呼んでいた。
もはや完全にレオだけに標的をしぼっていたのだ。

トオルにひとりで避難するように指示するが、
トオルはレオが助けに来てくれるから。と、緊迫感が無い。
いつの間にかレオに依存するようになっていたのだ。
この状況ではレオに変身して戦うことなどできないと判断。ゲンはひとまず避難だけにとどめた。

いつまでたってもレオが現れないことに憤るブラック指令。
ブラックエンドに撤退命令を出した。
もはやブラックスターにとって地球侵攻よりもレオを倒すことだけに執着していた。

覇気を無くしたトオルに問いただすゲン。
ツルク星人に父を殺され、シルバーブルーメにカオル、百子、タケシを殺された時の気持ちは、
あの時抱いていた憎しみや怒り、悲しみはどうしたのだと。
トオルは確かにそう思っていたが、結局何もできないし、レオに頼るしかないのだと、
すっかり諦める心が芽生え始めていた。

美山家。墓参り先でも地震があったのでいずみが咲子から治療を受けていた。
いずみだけ怪我なのは、すごいハイヒールを履いていたからだそうだ。(^_^;
円盤生物がレオの名前を呼んでいる。そのことにかつてのいずみの言葉が蘇る。
ブラックスターは地球じゃなくレオの命を狙ってくるのではないか。と。
あゆみはやはり前回同様にレオをかばうが。

今度の円盤生物はまさしくレオの命を最優先に狙ってきていた。
ゲンは自分が地球にいない方がいいのではと思うようになり、眠れる夜を迎えようとしていた。
その夜、ゲンは夢を見ていた。

ウルトラセブンが夢の中に出てきていた。
ブラックスターや円盤生物との最後の戦いが、
かつてない決断の時が迫ってきていることを告げに来た。
「沈む夕陽は私だ。そして昇る朝陽はお前だ」
と、最初の出会いに交わしたあの決意の言葉を添えて。

セブンは彼方へと飛び去っていた。

翌日、いつものようにトレーニングに励むゲンとトオル。だがトオルは途中でばててしまう。
そんなトオルにトレーニング中止を告げると同時に、これから一人で海に向かえと指示。
誰にも頼らず、自分の足だけで目的地を目指す。
ゲンはトオルの父親と同じ気分で諭しているのだと言う。
亡き父がスポーツセンターにトオルを通わせたのは、
トオルを強くしたいという親としての想いがあったからなんだと、ゲンは明かした。

ゲン=レオをすっと付け狙っていたブラック指令。今こそチャンスとばかりにブラックエンドを呼ぶ。

ブラックエンドの猛攻。
ゲンとトオルはその攻撃から逃げる。
トオルはレオや他の者に頼らず、自分の力だけで逃げ切った。
そのことに喜びを表し、トオルをねぎらうゲン。トオルはやり切った笑顔を見せた。

トオルの成長を確認したゲンは、ついに自分がウルトラマンレオであることを明かす。
その証拠に変身アイテムのレオリングを見せて。
もうトオルはひとりで歩くことができる。そう確信したのだ。

トオルの目の前でゲンは変身を遂げた。
ウルトラマンレオへと最後の変身。

レオはブラックエンドの背後に回り、長い尾をつかむが、
ブラックエンドは背中に新たな角を出し攻撃。

さらに口から猛烈な火炎を吐き出した。
それをレオは難なくかわす。

再び後ろに回り込んだレオは背中の角をちぎり取ると、ブラックエンドの正面めがけて角を投げた。
角はブラックエンドの口を塞いだ!これで火炎攻撃はもうできない。
円盤生物では最強のブラックエンドも、レオの前では形無しだった。

圧倒するレオの強さの前にうろたえるブラック指令だったが、
レオを応援しているトオルを見つけると、トオルを人質に取る作戦へと出た。
これでレオの動きを封じられるという、見事に卑怯な作戦だった。

トオルを人質に取られ戦えないレオは、ブラックエンドの攻撃にさらされる。
カラータイマーが鳴り響き、地球での活動時間が無くなっていく。

このままではやられる。
レオの脳裏にこれまでの戦いの日々が、走馬灯のように流れ込んできた。
攻撃を受け続けるレオが次第に弱気になっていく。

その時、セブンの声がした!
「今こそ力を発揮する時だ!」
セブンに励まされたレオは、最後まで諦めないと鼓舞する。

美山あゆみを筆頭に子供たちがブラック指令と人質になっているトオルを見つけた。
あのブラック指令が円盤生物を操っていた人物だと確認。
しかし、トオルが人質ではうかつに手は出せない。

このままレオの足手まといになってはいけない!
そう思ったトオルは隙をついてブラック指令の腕を噛んだ!!

トオルの勇気ある行動に子供たちが一斉にブラック指令に飛び掛かった!!!
持っていたサーベルを取り上げ、全員でブラック指令を取り囲んでいく。

円盤生物を操っているであろう水晶玉を奪いたい。
あゆみが腕を噛み、その手にあった水晶玉をトオルが奪った!
その水晶玉をレオに向かって投げるトオル。

水晶玉を奪われたブラック指令は途端に苦しみもがきだした。
水晶玉とブラック指令は連動していたのだ。

水晶玉を受け取ったレオは水晶玉に力を込めて、ブラックエンドに投げつけた!

赤い光球となった水晶玉はブラックエンドに命中、炸裂!
ブラックエンドは爆散し果てた。

そしてブラック指令は、ドロドロに溶けて絶命していった。

ブラック指令が死んだことで、ブラックスターは自制を失い、暴走しながら地球へと降ってきた。

レオはありったけの力を込めて、最後のシューティングビームを放つ。

悪魔の惑星ブラックスターは大爆発し消滅。
こうして円盤生物は完全に滅んだのだった。

勝利したレオに子供たちが感謝の笑顔を見せる。
レオはうれしかった。子供たちがこんなにも強く、力を出せたことを。
もう自分がいなくても大丈夫だと。
これで心置きなくレオとしての任務から外れることを。
そして。

桜の花が咲き誇る下で、
おおとりゲンの旅立ちを見送る美山家の姿があった。

「本当に行ってしまうの?」
あゆみがさみしそうに言う。
咲子が言う。
「おおとりさん。私たちはね、もしも、もしもよ。あなたが他の星の人でも、ちっとも気にしてないのよ」
いずみが続く。
「私が知ってるおおとりさんは(凶悪な)宇宙人なんかじゃないわ。私達と同じ血が流れている人間よ」

ゲンが言う。
「ありがとう。僕にとってその言葉は一生忘れることはできません。
やっと今、この地球が僕の故郷(ふるさと)になったんです」
「だから、青い空と青い海のある故郷(ふるさと)をこの目で見て、この手で確かめたいんです。」
ゲンは地球人として世界をまわってみたい。そのための出発。旅立ちだった。

笑顔で旅立つゲン。

曲がり角にゲンの姿が消えていった。
トオルは思わず追いかけてしまう。

トオルは走った。街を道を。
そして、いつしか海へとたどり着いていた。
ひとりで、自分の足だけで、ここまで来ていた。

海の向こうにヨットが一艘。
そこにゲンが居た。
お互いに気づいて手を振る。

日が暮れて夕刻になっていた。
涙を流し、ゲンとの別れを惜しむトオル。
ゲンはただ笑顔で手を振っていた。

また再会できる日が来ることを願って。
ゲンの旅立ちを泣きながらも笑顔で、温かく見送るトオルの姿があった。

ゲンの歌「星空のバラード」が流れる。
守り切った地球。
ゲンは地球人として誇らしく生きていく。
未来へと続く太陽に照らされて、ウルトラマンレオはおおとりゲンは今、出発していったのだ。
というわけで、ウルトラマンレオの最終回でした。
ゲンとトオルの成長物語として紆余曲折ながらも見事完走しました。
ゲンとトオルの成長物語として紆余曲折ながらも見事完走しました。
変身能力を失ったセブンの後任として託された未熟な戦士レオ。
初期の厳しいスパルタ特訓や、仲間達との出会いを経て少しずつ成長していき、
心身共に強くなったところで円盤生物による防衛組織の壊滅と仲間の死。
孤独になりながらも人々を守ることを優先し、トオルを導き、
そして最後は子供の強さを見届けて、心置きなく旅立っていきました。
終盤、ゲンが安堵した笑顔だったのは、
今後何があってもみんな強く生きていけるという確信を持てたからでしょう。
第2ウルトラシリーズはこれにて幕となり、オイルショックの影響で特撮全体が冬の時代を迎えますが、
どんな困難な時代でも、ウルトラマンレオが提示していったテーマが、
生き続ける原動力になる。そんなメッセージも感じ取れるかと思います。
良かったら、DVDなどでウルトラマンレオをはじめ、いろいろ視聴してみてください。
もう何度でも楽しめると思います。o(^-^)o
では、またです。
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