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今回のお話は、ウメダトオルの妹カオルが主役の回です。
ちなみにカオル役は、子役時代の冨永みーなです。




















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ある日、おおとりゲンはトオルやカオルたち、百子さんや猛と共に公園で遊んでいた。
























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模型飛行機を飛ばして遊ぶ。カオルの飛ばした飛行機が軽やかに飛んでいった。




















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飛行機が地面に落ちた。そのそばに和服の女性がたたずんでいた。





















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拾ってくれてありがとうとばかりに駆けてきたカオル。






















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そのカオルを見て女は、死んだ娘に似ているとつぶやいた。



















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カオルの方も、目の前の女性に不思議な感覚をおぼえていた。
幼い頃に死別した母親に似ていたのだ。






















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そしてカオルは夢か幻か、幻惑の空間の中にいた。
目の前の女性を母親と思い、その腕の中に飛び込んでいった。




















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カオルを呼びに来たゲンの声で、カオルは現実に呼び戻される。
























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ゲンは一目で女が宇宙人であることを見抜く。
女もゲンの正体を知ったのか、足早に立ち去ろうとしていた。





















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カオルを百子達に託すと、ゲンはあの女を追跡した。






















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だが女は鏡の中へと逃げ込んでいった。
平面世界には入ることができない。ゲンは断念せざるを得なかった。























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その夜。カオルはロケットを開き、死んだ母の顔を見つめていた。
母は昼間に会ったあの女性にそっくりだった。



















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幼い頃に母と死に別れたカオル。父も失い、今では家族は兄のトオルのみ。
ゲンや百子、猛にダン隊長といった支えてくれる人がいるものの、
母がいない寂しさはあった。




















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母への想いが強くなる最中、カオルを呼ぶ声が鏡から聴こえた。
見ると昼間に出会った女が手招きをしていた。





















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とまどうカオルだったが、母を想う気持ちが勝り、カオルは鏡の中へ行ってしまう。
あとには母の写真が入ったロケットだけが残されていた。
























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以来、カオルはいなくなり戻ってくることはなかった。
トオル達は懸命に探すもなすすべはなかった。





















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似たような事例はMACにも複数寄せられていた。
過去の経緯から、これらは鏡の世界に潜むマザラス星人の仕業であると、ダン隊長は断言した。

救い出す方法は無いという。

ゲンはあきらめきれない。


























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妹のカオルが行方不明のままでやりきれない怒りをぶつけ苦しむトオルの姿を見たゲンは、
鏡の世界に行こうとするものの、ダンに止められる。

戻ってくる補償がないからだ。


しかし、ゲンはそんなダンの制止を振り切り、鏡の世界へと突入していった。

























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鏡の中の世界は、荒涼とした砂漠世界が広がっていた。
この広い空間でカオルを捜し求めるゲン。

すると、カオル自作の楽しげな歌が聴こえてきた。



















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カオルの歌声を頼りにふたりのもとへと辿りついたゲン。
母子のようにふるまい楽しむふたりだが、
カオルの帰りを待つトオル達のもとへ連れて行かなければならない。


カオルを手放したくないマザラス星人は、鏡を使って異次元獣スペクターを呼び出す。




















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スペクターは全身が鏡のような怪獣だった。
ゲンを足止めするため、砂場を崩す。
























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首まで生き埋めにされたゲン。
カオルはかわいそうだと訴えるがマザラス星人は母親の私とどちらが大切なの?と迫る。

その言葉に負け、カオルは再び夢うつつの中へ。
























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砂に埋もれていたゲンだったが自力で這い上がり、マザラス星人の隙をついて、カオルを連れ出す。
























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幻惑にかかっているカオルの目を覚まさせるため、ゲンは持ってきたロケットを見せる。
中の本当の母親の写真を見せて、もう既に死んでいることを。あれは偽者であることを。
























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そうはさせまいと、マザラス星人は鏡で一撃をくらわす。






















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無残にも燃え尽きるロケット。
























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そしてカオルを独占したマザラス星人は、今度はゲンを殺そうと鏡でスペクターを操り襲わせる。


























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コントロール源の鏡を狙撃。マザラス星人の手元から鏡をふき飛ばした。






















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だがマザラス星人は、スペクターを現実世界へと転送させていた。
その様子を鏡を通して見せ付ける。
カオルを渡さねば、より多くの人間を攻撃すると。






















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だがトオルまで襲わせたことが逆効果となった。
お母さんならお兄ちゃんにひどいことをしないはずだと。

「おばさんは私のお母さんじゃないわ!」

やっとカオルは幻惑から解かれ、目の前の女は偽者だと認識した。























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うちひしがれたマザラス星人は、その正体をあらわす。
恐ろしい鬼の面にナギナタをふるいかざす!





















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その猛威にカオルは倒れこみ、気を失う。
なにをするんだ!と叫ぶゲン。























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カオルは死んだ娘にそっくりだ。カオルは私のものだ。絶対に渡さない。
邪魔をするレオは憎い!

もはや憎しみだけの存在となったマザラス星人。

















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ゲンはレオに変身し、カオルを保護。
そのレオめがけ、ナギナタを振り下ろすマザラス星人。
























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カオルを守りながらの戦いは苦戦を強いられる。























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さらにマザラス星人は幻惑させようと、レオに術をかける。
























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幻惑に陥るところレオだったが、カオルのトオルを呼ぶ声で正気に戻った。


























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レオは現実世界に戻ろうと、キングブレスレットからウルトラマントを取り出す。






















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ウルトラマントは現実世界へとつながる鏡へと変形した。























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レオはカオルと共に鏡を通って現実世界へと戻っていった。



























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マザラス星人も後を追うが、ウルトラマントの鏡は彼女が通るのを拒絶した。


























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マザラス星人はそのまま倒れ、絶命していった。





























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現実世界へと戻ったレオは、カオルを安全な場所に退避させてから、
ウルトラスライサーで一閃を浴びせる。


























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切り裂かれたスペクターは鏡が割れるように砕け散っていった。
























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こうしてマザラス星人の一件は落着した。






















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そして後日。
死んだ母の元へ墓参りするカオル達。

鏡の中の宇宙人にとっても、カオルを見て胸が締め付けられる想いだったのだろう。
だが、一方的に連れ去ることは許されないことなんだ。とダン隊長は静かに言う。
























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「お母さん・・・」




亡き母に想いを寄せ涙を流すカオル。
思わず駆け寄ろうとするゲンをダンは止めた。

そっとしておくしかないのだ。




















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カオルの胸中にマザラス星人と過ごしたあの時間がよぎる。
偽りでも、あの瞬間は母と子だったのだ。



















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夕陽を背に走るカオルは、母を呼ぶのだった。


「お母さーん!」








というわけで、カオル最後の主役回でした。
劇中に流れる「かおるの歌」は冨永みーな本人が作詞作曲した歌だそうで、
恐らく本人が最初に公式に歌ったものです。ですが音源が存在しないため、
このウルトラマンレオで流れてくるのみとなっております。


母と子の想いから生まれた事件。
お互いにそれぞれ失った家族という共通点から、それを補おうとするあまりに周りを突き放していく。
死んだ人への想いが強ければ強いほど、哀しい情念が生まれていったことへの悲劇。
特にカオルは幼い時に死別したことから母の想い出がほとんどないことから、
押さえ込んでいた感情が一気に炸裂したという感じでした。
トオル達にとっても家族がいなくなることは悲しいことなので、ひとまず戻って来られたことは良かったですね。

戻ってきて事件解決したとはいえ、寂しい想いだけは払拭できず、
いなくなった人を想い続けることは、やはり仕方ないことでしょうね。


では、またです。
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