ウルトラセブンは、侵略者から地球人を守るために戦っている戦士。
今回は、その根幹を揺らしてしまうようなおはなし。
人類はさらなる発展として、海底に進出し始めていた。
海洋調査船「シーホース」号は順調に調査していた。
海へのんびり遊びに来ていたアンヌとダン。隙あらばデートしてるふたり。(^_^;)
そのアンヌの元に、少年がやってくる。彼は海洋調査をやめないと大変なことが起きると言い放つ。
少年が立ち去るのと入れ替わりにやって来たダン。…魚捕り?(^_^;)
ともかくも、アンヌはさっきの少年の言葉をダンに伝える。
その直後、海で大爆発が起きる!
シーホース号が爆発炎上し、沈没していったのだ。
ダンから報告を受けたウルトラ警備隊は、ハイドラランジャーで探索に向かう。
しかし、シーホース号も海洋施設も無残に全滅していた。
アンヌは、さっきの少年が手掛かりを知っていると思い、捜索する。
漁師の子と思われたがそれらしい少年は見つからず、近くの小学校へ。
だが授業中なので、後で来ることになった。
ウルトラ警備隊の元に参謀から、謎の少年が謎めいた内容の電話をしてきたという。
その録音テープを聴く。
「海底はノンマルトのものだ。人間が海底を侵略してきたら大変なことが起きる。」
少年はそれだけ言うと電話を切ったという。
フルハシらが子供が調子に乗ってでたらめを言っているだけだと、相手にもしない態度だったが、
ダンはひとり顔を曇らせる。ノンマルトという言葉に心当たりがあったのだ。
そこへ、小学校から授業が終わったので調査協力ができると連絡が入った。
早速、アンヌが向かう。
「僕も行くよ。」とダンも同行する。…うむむ。(;・`ω・´)
移動中の車内でもダンは浮かない顔だった。ノンマルトという言葉が引っかかっていたのである。
ダンの故郷、M78星雲では地球人のことをノンマルトと呼んでいた。
ノンマルトとは人間のことだ。あの少年が言ったノンマルトとはどういう意味なのか。
人間以外のノンマルトがいるとでもいうのだろうか?
小学校で面通しをするが、どれも該当しなかった。この町の子供ではないのだろうか。
諦めかけて帰路につこうとした時、浜辺に例の少年がいるのをアンヌが発見する。
彼は「真市」と名乗った。
なぜ海洋施設が破壊されたのか、ノンマルトとは何のことなのか、
アンヌは数々の疑問を真市にぶつける。
海洋施設はノンマルトが怒ったから破壊した。ノンマルトとは今の人間に迫害され、
海底へと追いやられた先住民族だと言うのだ。
地上の人間たちは侵略者で、ノンマルトこそが本当の地球人であると。
武力を持たないノンマルトは人間に追い出され、やむを得ず海底に都市を築いた。
海底はノンマルトのものなのに、そこにまで侵略しようというのなら、ノンマルトは徹底的にやるよ!
そういうと、真市は海へと飛び込み消えていった。
海上ではタコの怪獣が出現し、船を襲っていた。
ウルトラ警備隊は、この怪獣こそがノンマルトだと思い、ウルトラホーク1号で攻撃。
さらに海底ではハイドランジャーが挟み撃ちにし、波状攻撃をかける。
作戦は成功し、タコの怪獣は沈黙し倒した。
ノンマルトを倒した!と沸く面々に、真市から連絡が来た。
ウルトラ警備隊がノンマルトだと思い込んで倒したのは、海獣ガイロスであって違うと。
さらにノンマルトはイギリスの原子力潜水艦「グローリア」号を手中に収めたというのだ。
本部は電話を逆探知し、真市の居場所を特定し、真市を捕らえようとしていた。
しかし、岩陰からノンマルトがレーザーで攻撃し、真市を救出する。
そして、グローリア号が会場に出現!
地上への攻撃を開始。
ついにノンマルトは人類と戦うことを決意する。
さらに追い打ちをかけるように、ノンマルトが操る海獣ガイロスが復活した。
この危機にセブンの変身しようとするダンの目の前に、真市が現れる。
振り返り、別方向で変身しようとするダンを制止するかのごとく、立つ真市。
ノンマルトを攻撃しないで!とダン、ウルトラセブンに懇願する真市。
「ノンマルトは悪くない!人間がいけないんだ!ノンマルトは人間より強くないんだ!」
あくまでも悪いのは侵略しようとする人間たちだと主張する真市。
「僕は戦わなければならないんだ!!」
ダンは人間を守るために変身する。
真市の「馬鹿野郎!」という叫びも振り切り、セブンは戦いにむかう。
ガイロスの複数の足に苦戦するセブン。
一方、ウルトラホークの活躍でグローリアを退け、弾薬も尽きたノンマルトは海底へと逃走していた。
そこをハイドランジャーが捕捉し、一斉に攻撃をしかける。
グローリアは爆発。乗組員のノンマルトも死亡する。
そしてキリヤマ隊長らは、その先に海底都市があるのを発見した。
まさか、本当にノンマルトの海底都市があったとは。
驚愕のキリヤマ隊長。「だがもし宇宙人の侵略基地だとしたら?」
苦渋の決断がせまっていた。
セブンはアイスラッガー片手にガイロスの足をすべて切断。ガイロスは今度こそ絶命した。
同じころ、キリヤマ隊長は決断した。やはり攻撃だ。と。・・・。
ハイドランジャーから大型ミサイルが放たれ、ノンマルトの海底都市はノンマルトもろとも滅んだ。
「ノンマルトの海底都市は完全に粉砕した!我々の勝利だ!!」
「海底も我々人間のものだ!これで再び海底開発の邪魔をする者はいないだろう!」
キリヤマ隊長は狂喜し、高らかに勝利宣言をするのだった。
こうして事件は一応終わった。海に遊びに来てうかれているウルトラ警備隊のメンバーをよそに、
ダンとアンヌは、沈んだままだ。
もし真市の言うようにノンマルトは先住民で人間が侵略者だとしたら…!
そこへ、真市の鮮烈な言葉が響き渡る。
「ウルトラ警備隊のバカ野郎!地球はノンマルトの星なんだ!人間こそ侵略者なんだ!!」
声に導かれて、やってきたダンとアンヌのふたり。そこに婦人と墓標があった。
婦人は死んだ息子の命日なので墓参りに来たのだという。その墓標に刻まれた名前は!
ダンたちの前に姿を現した、あの真市の墓標だったのだ。
海が好きな息子で毎年連れてきていたが、2年前に死んだのだという。
2年前、海で死んだ真市の魂が、ノンマルトの使者として現れたのであろうか。
ノンマルトとは、本当に地球の先住民で、今地上にいる我々人間が侵略者だったのか。
ノンマルトがすべて滅んでしまった今、永遠の謎となったのである。
というわけで、ウルトラセブンでもっとも衝撃的なストーリーでした。
今の人間が根本的な悪かもしれない。真の悪とは何か?という究極の状況に直面しながらも、
劇中のセブンは今存在する人々の味方として戦いました。
キリヤマ隊長の先住民の存在がわかっていながら滅ぼし、直後にあの少々大人げない勝利宣言も、
罪悪感の中で少しでも楽になりたい気持ちからの叫びだったのかもしれません。
自分の置かれる立場によっては客観的に間違っていても遂行しなければならない。
苦しい決断を下すのもひとつの正義なのかもしれません。
では、またです。
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