今回紹介するのは、ウルトラQの実質的な最終話となっているおはなしで、「あけてくれ!」であります。
ちなみに本放送時には、内容が難解すぎるのと、後番組の「ウルトラマン」を盛り上げるため、
「ウルトラマン前夜祭」を放送することになり、お蔵入りになったストーリー。
陽の目を見るようになったのは、再放送された1年半後であります。
星川航空パイロットの万城目と新聞記者の由利子は、休日を利用して再会。
一平に買い物の荷物持ちをさせて待ってたが待ちきれず、一平をほったらかしてデートに。(^_^;)
置いてけぼりをくらった一平は、「バカー!」「ひとでなしー!」と、やんやん喚くが、
その時、空を見上げると信じられない光景が展開していました。
夜空を列車が走っていたのでありました。w(゜o゜)w これが今回のおはなしのアンバランスゾーンです。
ふたりっきりでイチャイチャしてる万城目と由利子。
「どこへ行きたい?」「あなたとならどこへでも」ふたりだけの世界へ。(^_^;)
「電話も締切も交通事故も借金取りも何もないところがいいわ♪」
途中で倒れている男性を発見。死んでいたのかと思いきや、酔いつぶれているような感じでした。
ひとまず車に乗せて保護する二人。
踏切に差し掛かり、停車。 カンカンと警報機。電車が通りかかります。
電車に気付いた男が突然叫びだす。「あけてくれー!」「ここからおろしてくれー!」
あわてて男を引き留める万城目。様子がおかしいので、一ノ谷博士のもとへ連れて行くことにしました。
博士の研究所で催眠術を使って、男の記憶を呼び起こす。
男は沢村という会社員。あるとき、彼は不思議な電車に迷い込んでいた。
空を飛び、時空を超越した空間を走り続けていた。
車掌に連れられ、他の乗客たちのところへ連れて行かれる沢村。
そこにある中年男性がいた。
彼はSF作家の友野健二。彼こそがこの不思議な世界へ導いた人物だった。
現実に疲れ果てたものたちを苦しみから解き放ち、理想郷ユートピアへと誘う役目をもっていたのだ。
そこはつらい仕事も冷たい家庭もない。派閥争いも受験戦争もない。
すべての悩みを解消してくれる、まさに「理想の世界」だというのだ。
時間と空間を超越したところなので、各人の過去の映像が車窓へと映し出されていった。
そこに沢村は、会社の上司や、昔の家族の姿を見る。
幼かったころの娘が自分を追いかけてくる姿を見た沢村は、急に帰りたくなり叫ぶ。
沢村の素性も分かり、不可思議な現象が起きていることを確信する面々。
実は沢村と同じように、空飛ぶ電車に乗ったものたちが複数いたのだ。
翌日、万城目達は、沢村の記憶の中に登場したSF作家・友野に会い、事件の手掛かりをつかもうとした。
だが、友野は一年以上も前から旅行に出ると行ったまま、戻らずにいた。
しかし、原稿だけはどこからか定期的に送られてくるため、家族は生活に困らなかった。
一方、沢村は家族が迎えに来て引き取られていった。
しかし沢村は記憶はおぼろげ。妻と娘は酔っぱらって迷惑をかけた程度にしか思っていなかった。
妻は「恥をかいた」と沢村を責め立て残酷な言葉でののしる。
娘はそんな両親は嫌いだと嘆く。沢村の家庭は既に壊れていたのだ。
沢村は逃げるように途中下車する。夕方近い時間だが今から会社へと向かうという。
万城目や一ノ谷博士らは、警視庁に呼ばれていた。まずは見てほしい映像があるという。
それは、アマチュアカメラマンが偶然とらえた、電車が宙に浮き消失するものだった。
警視庁は特に人的被害も出ていないことから、これを内々に処理したく、口外しないでほしいと要請。
事件はこうして、謎のまま幕を閉じることとなった。
そのころ、沢村は会社へと行く。退社時間にやってきた沢村を上司は激しく叱責。
沢村はついに退職願いを出し、去っていく。
沢村は思い出していた。
冷たい家庭も辛い仕事も嫌になり、逃げだしたくなっていたのだ。
あの異次元列車に迷い込んだのは、そんな沢村の気持ちに応えるように出現したモノだったのだ。
万城目は帰路につく途中、後部座席に友野の原稿が置いてあるのに気づく。
誰かが投げ入れたのだろうか? 思わず原稿の内容を読む二人。
そこには、友野が異次元列車、そしてユートピアに行くくだりになった経緯を、小説という形で寄稿していた。
彼もまた現実に疲弊していた。まわりの理解とほど遠い人間関係に嫌気がさしていた。
ある日、ふと思った。このエレベーターがどこか深い底へと進まないか。
それこそ地下20階とか、異次元とか、現実と離れた世界にたどり着かないものかと。
そして到達した。「理想郷ユートピア」へ。
なにもかもが違う世界。そこは先住者が多くいた。
生活様式も文化も科学水準も、まったく異なり、かつ苦しみはない世界。
友野は、自分の終着駅として下車したこの世界に、永住することを決めたのだ。
万城目は友野の謎をある程度解く。
友野は異次元に住み、自由に仕事をし、短波を使って電話もかけられる。
現実と異なる世界に居続けることで、人とのつながりを完全に断ち切ったのだと。
家庭も仕事も全てを捨ててしまった沢村は、空を舞う異次元列車を今日も追い求める。
もしあなたが、理解ある異性や、温かい家庭をお持ちでしたら、夜の電車はくれぐれも気を付けてお乗りください。
ちなみに、劇中の空飛ぶ列車は、小田急ロマンスカー。
途中で列車が空へと浮かび消えていくシーンは、都電荒川線です。
小田急線はウルトラシリーズの撮影に関して、かなり協力的なステキなところだったので、
これ以降も多く登場します。(^-^)
現実からの逃避。
誰もが一度は考えることがあるであろう思い。
もしこの世の嫌なことから逃げ出し、そこは理想郷だとしたら・・・。
人間は心で生きている以上、そのありようで世界は変わってしまうのかもしれません。
結局、この事件はまったく解決していませんが、
さらなるアンバランスゾーンへ続くという普遍的なテーマとしては、ウルトラQらしい最終回と言えるかも。
では、またです。
ちなみに本放送時には、内容が難解すぎるのと、後番組の「ウルトラマン」を盛り上げるため、
「ウルトラマン前夜祭」を放送することになり、お蔵入りになったストーリー。
陽の目を見るようになったのは、再放送された1年半後であります。
星川航空パイロットの万城目と新聞記者の由利子は、休日を利用して再会。
一平に買い物の荷物持ちをさせて待ってたが待ちきれず、一平をほったらかしてデートに。(^_^;)
置いてけぼりをくらった一平は、「バカー!」「ひとでなしー!」と、やんやん喚くが、
その時、空を見上げると信じられない光景が展開していました。
夜空を列車が走っていたのでありました。w(゜o゜)w これが今回のおはなしのアンバランスゾーンです。
ふたりっきりでイチャイチャしてる万城目と由利子。
「どこへ行きたい?」「あなたとならどこへでも」ふたりだけの世界へ。(^_^;)
「電話も締切も交通事故も借金取りも何もないところがいいわ♪」
途中で倒れている男性を発見。死んでいたのかと思いきや、酔いつぶれているような感じでした。
ひとまず車に乗せて保護する二人。
踏切に差し掛かり、停車。 カンカンと警報機。電車が通りかかります。
電車に気付いた男が突然叫びだす。「あけてくれー!」「ここからおろしてくれー!」
あわてて男を引き留める万城目。様子がおかしいので、一ノ谷博士のもとへ連れて行くことにしました。
博士の研究所で催眠術を使って、男の記憶を呼び起こす。
男は沢村という会社員。あるとき、彼は不思議な電車に迷い込んでいた。
空を飛び、時空を超越した空間を走り続けていた。
車掌に連れられ、他の乗客たちのところへ連れて行かれる沢村。
そこにある中年男性がいた。
彼はSF作家の友野健二。彼こそがこの不思議な世界へ導いた人物だった。
現実に疲れ果てたものたちを苦しみから解き放ち、理想郷ユートピアへと誘う役目をもっていたのだ。
そこはつらい仕事も冷たい家庭もない。派閥争いも受験戦争もない。
すべての悩みを解消してくれる、まさに「理想の世界」だというのだ。
時間と空間を超越したところなので、各人の過去の映像が車窓へと映し出されていった。
そこに沢村は、会社の上司や、昔の家族の姿を見る。
幼かったころの娘が自分を追いかけてくる姿を見た沢村は、急に帰りたくなり叫ぶ。
「あけてくれー!ここから降ろしてくれー!」
沢村の素性も分かり、不可思議な現象が起きていることを確信する面々。
実は沢村と同じように、空飛ぶ電車に乗ったものたちが複数いたのだ。
翌日、万城目達は、沢村の記憶の中に登場したSF作家・友野に会い、事件の手掛かりをつかもうとした。
だが、友野は一年以上も前から旅行に出ると行ったまま、戻らずにいた。
しかし、原稿だけはどこからか定期的に送られてくるため、家族は生活に困らなかった。
一方、沢村は家族が迎えに来て引き取られていった。
しかし沢村は記憶はおぼろげ。妻と娘は酔っぱらって迷惑をかけた程度にしか思っていなかった。
妻は「恥をかいた」と沢村を責め立て残酷な言葉でののしる。
娘はそんな両親は嫌いだと嘆く。沢村の家庭は既に壊れていたのだ。
沢村は逃げるように途中下車する。夕方近い時間だが今から会社へと向かうという。
万城目や一ノ谷博士らは、警視庁に呼ばれていた。まずは見てほしい映像があるという。
それは、アマチュアカメラマンが偶然とらえた、電車が宙に浮き消失するものだった。
警視庁は特に人的被害も出ていないことから、これを内々に処理したく、口外しないでほしいと要請。
事件はこうして、謎のまま幕を閉じることとなった。
そのころ、沢村は会社へと行く。退社時間にやってきた沢村を上司は激しく叱責。
沢村はついに退職願いを出し、去っていく。
沢村は思い出していた。
冷たい家庭も辛い仕事も嫌になり、逃げだしたくなっていたのだ。
あの異次元列車に迷い込んだのは、そんな沢村の気持ちに応えるように出現したモノだったのだ。
万城目は帰路につく途中、後部座席に友野の原稿が置いてあるのに気づく。
誰かが投げ入れたのだろうか? 思わず原稿の内容を読む二人。
そこには、友野が異次元列車、そしてユートピアに行くくだりになった経緯を、小説という形で寄稿していた。
彼もまた現実に疲弊していた。まわりの理解とほど遠い人間関係に嫌気がさしていた。
ある日、ふと思った。このエレベーターがどこか深い底へと進まないか。
それこそ地下20階とか、異次元とか、現実と離れた世界にたどり着かないものかと。
そして到達した。「理想郷ユートピア」へ。
なにもかもが違う世界。そこは先住者が多くいた。
生活様式も文化も科学水準も、まったく異なり、かつ苦しみはない世界。
友野は、自分の終着駅として下車したこの世界に、永住することを決めたのだ。
万城目は友野の謎をある程度解く。
友野は異次元に住み、自由に仕事をし、短波を使って電話もかけられる。
現実と異なる世界に居続けることで、人とのつながりを完全に断ち切ったのだと。
家庭も仕事も全てを捨ててしまった沢村は、空を舞う異次元列車を今日も追い求める。
「おーい!連れてってくれー!俺も連れてってくれー!!!」
もしあなたが、理解ある異性や、温かい家庭をお持ちでしたら、夜の電車はくれぐれも気を付けてお乗りください。
ちなみに、劇中の空飛ぶ列車は、小田急ロマンスカー。
途中で列車が空へと浮かび消えていくシーンは、都電荒川線です。
小田急線はウルトラシリーズの撮影に関して、かなり協力的なステキなところだったので、
これ以降も多く登場します。(^-^)
現実からの逃避。
誰もが一度は考えることがあるであろう思い。
もしこの世の嫌なことから逃げ出し、そこは理想郷だとしたら・・・。
人間は心で生きている以上、そのありようで世界は変わってしまうのかもしれません。
結局、この事件はまったく解決していませんが、
さらなるアンバランスゾーンへ続くという普遍的なテーマとしては、ウルトラQらしい最終回と言えるかも。
では、またです。
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